- 初正月の意味
- 男の子の正月飾り(破魔弓他)
- 女の子の正月飾り(羽子板他)
- 初正月祝いの準備
- 初正月のすごし方
赤ちゃんが生まれて初めて迎えるお正月「初正月」
- お孫さんの初正月で何を用意すればよく分からない祖父母の方
- はじめてのお子さんで初正月の過ごし方に悩まれている親御さん
にむけて、初正月のすべてを分かりやすく解説します。
初めてのお正月が特別な理由
まず「初正月」が特別なお祝いである由来をご紹介しましょう。
今と昔の「年をとる」日の基準がポイントになってきます。
現在では、誕生日になると1歳年をとる「満年齢」で数えます。
満年齢の場合、生まれた年は0歳、お誕生日に1つ歳を重ねて1歳になります。
しかし、昔はお正月に1歳年をとる「数え年」で年齢を数えました。
数え年の場合、生まれた年は1歳、お正月に1つ歳を重ねて2歳になります。
数え年では「初正月」は赤ちゃんが生まれて初めて年を重ねる大切な日。赤ちゃんの「初正月」を特別な日としてお祝いし、破魔弓や羽子板などの正月飾りを飾って赤ちゃんの無病息災をお祈りします。
今の感覚だと、人生初のお正月と誕生日が一緒にくるような、とてもおめでたい日になりますね!
現在は、誕生日に年を重ねる「満年齢」のため、初正月をお祝いすることは少なくなってきましたが、やはり生まれて初めての「正月」は特別な日。
昔の風習を大切にし、無病息災、子どもの幸せを祈って、家族みんなで「初正月」をお祝いしてあげたいですね。
初正月は何をするの?
初正月には、祖父母から贈られた「正月飾り」を家の中に飾ります。
この正月飾りは、性別によって違い
- 男の子は「破魔弓」
- 女の子は「羽子板」
を贈ります。
この他に、男の子は「凧(たこ)」「天神人形」、女の子は「人形(ひとがた)」「手毬(てまり)」を贈る風習があるところも。
正月飾りのそれぞれの意味を詳しく解説していきます。
【男の子】初正月に準備するもの
男の子には「破魔弓」
男の子の初正月には「破魔弓」を贈ることが一般的です。
弓で射る的(まと)のことを「はま」と言い、「破魔」という漢字があてられました。「破魔弓(魔を破る弓)」という意味から、 魔除けや、厄払いのお守り とされています。
破魔弓は、鎌倉時代・江戸時代から続く由緒ある伝統のひとつ。古くは宮中で行われてきたお正月十七日の弓を射る儀式に由来しています。
男の子の初節句で破魔弓を準備した場合は、それをお正月飾りとして使用します。
「破魔弓」はどんなものを準備すればいい?
弓、矢、うつぼ(弓をいれるもの)が一式セットになったものを準備します。現在は、ケース入りのものが一般的。
破魔弓は邪気除けとして年中飾っておくのもOKなので、コンパクトなものや壁掛けの物などお部屋のインテリアに合わせて選ぶのもひとつですね。
「凧」や「天神人形」を贈る風習も
「破魔弓」の他には、「凧」や学問の神様菅原道真(すがわらのみちざね)をかたどった「天神人形」を贈る風習もあります。
【女の子】初正月に準備するもの
女の子には「羽子板」
女の子の初正月には「羽子板」を贈ることが一般的です。
お正月の「羽根つき」は、江戸時代から続く女の子の遊びですが、災いを「はね(羽根)のける」意味から厄払いの意味があるとされています。
また、「羽根」にも魔除けの意味もあります。
羽子板でつく羽根のついた黒くて堅い玉は「むくろじ」の木の実でできていますが、これを漢字で書くと「無患子」となり、「子供が患わ無い」という意味が込められています。
「羽子板」はどんなものを準備すればいい?
「押絵羽子板」といわれる、立体的な絵柄の羽子板をお祝いとして贈るのが一般的です。
お部屋の雰囲気にあわせたナチュラルなデザインや、ちりめん髪飾りとしても使えるものなど、さまざまなデザインの羽子板も人気です。
「人形(ひとがた)」や「手まり」を贈る風習も
「人形(ひとがた)」に厄を移すことで、子供が無事に育つよう願いを込めます。
また、「手まり」は女性の情操を表しており、縁起物の一つとされています。
破魔弓や羽子板はお下がりでもOK?
初正月のお祝いの贈り物は、「子供一人一人」に贈るのがしきたりです。
長男に破魔弓、長女に羽子板を贈ったら、次男次女にも同じように送るのが基本です。
兄弟ができる可能性を考えると、「正月飾り」の数が増えていきます。保管場所を考えてあえてコンパクトなものや壁に飾れるもを選ぶのもいいですね。
祖父母が用意してくれる場合、事前に希望を伝えておくと良いでしょう。
初正月のお祝いを贈る時期とお祝い金の金額相場
破魔弓や羽子板は、主に母方の実家から贈る習わしがありますが、今は両家の祖父母が話し合って贈ることが一般的です。
お正月飾りではなく、お祝い金のみ贈ることも増えてきています。
お祝いを贈る時期
お祝いは、初正月の飾り付けがはじまる正月のことはじめの時期(12月13日前後)までに贈るようにします。
お祝い金の相場
お正月祝い金の相場やお返しについては、以下のページで詳しく解説しています。
初正月の飾り付けの最適な時期
12月13日の正月ことはじめの頃から年末にかけて飾りはじめます。
お正月の松飾りと同様、大晦日になって飾る「一夜飾り」は避けます。
松飾りのとれる1月7日から小正月1月15日の頃までにしまうのが一般的です。
方によっては、魔除けの意味で破魔弓を一年中飾るところもありますよ。
「破魔弓」や「羽子板」などは、ひな人形や五月人形の脇飾りとして飾るのも良いでしょう。
初正月の過ごし方
初詣
お正月は年神様が新しい魂をくれる特別な日。
可能でしたら、赤ちゃんも一緒に神社にお参りに連れていきましょう。
ただし、赤ちゃんの負担を考え混雑する有名な神社やお寺、混雑する三が日を避けるのがベター。
三が日過ぎの年神様がいると言われている「松の内」(1月1日~7日、地域によっては~15日)の期間に、近所の氏神様にお参りして赤ちゃんの成長と無病息災を祈りましょう。
初正月の贈り物を飾ってお祝い
お食い初めのように、食事に子供のための特別な料理を準備する必要はありません。
初正月のお祝いでいただいた「破魔弓」や「羽子板」などを床の間やチェストの上などの目立つところに飾り、家族でお正月をお祝いします。
子供の服装は?
特に決まりはありませんが、お正月飾りの「破魔弓」や「羽子板」に合わせて、袴ロンパースや袴スタイなど和装で合わせると雰囲気のあるお写真がのこせます。
和装を準備する場合、女の子は3月のひな祭り、男の子は5月の節句にも着られるようサイズ選びをするのがおススメです。